きょうは、図書館から『日本鉱山史の研究』という古い本を借りてきて、その中に出てくる梅ヶ島について、ちょっとだけ紹介させていただきます。
静岡県安倍郡梅ヶ島村の金坑について、同地方では仁徳天皇の代初めて金を朝廷に献じ延喜二(九〇二)年にも産出あり、享禄年中今川市の治下繁盛して元栄と称したといい、家康駿府在城時代慶長年中に大いに開発されて産出多かったと伝える。(以上319ページ)
ここでも出てくる「仁徳天皇の時代」というのは、3〜4世紀のことです。
仁徳天皇は第16代の天皇で、「おほさざきのみこと」とか「おほさざきのすめらみこと」とも呼ばれ、登場するのは古事記や日本書紀です。
古事記も日本書紀もオリジナルは8世紀ですから、仁徳天皇については400年以上前のことが人づてに伝わってきたものを文にまとめたということになりますが、お国の一番大事なところである天皇のことですから、「神話」とされるものも含めて、ウソやデタラメとはいえないんでしょう。きっと正確に伝えられてきたはずと信じたいところです。
お釈迦様やキリストの実在を信じて日本の天皇の実在を信じないというわけにもいきませんし、
大阪府堺市に前方後円墳の仁徳天皇陵が実際あるわけですから。
というわけで、梅ヶ島ではその4世紀のころにはすでに金を献上していたというのが伝説であり、歴史です。
だからこの梅ヶ島の地には、金山があり、温泉もある。それは仁徳天皇のころからというのが言い伝えなんだから、そう考えてもよいだろうということになるんですね。
1700年の歴史ある硫黄泉。というわけで、梅ヶ島温泉をまだ未体験の皆さんには、是非おいでいただき、実際に体験していただきたいと思う次第です。