静岡市の秘境の温泉、濃い温泉の梅ヶ島温泉です。
日本最古の温泉といわれるのは、熊野詣で栄えた和歌山県田辺市本宮町の湯の峰温泉だと言われています。発見は4世紀あるいは2世紀ともいわれていますから、その当時に遺された文献というものは存在しないわけで、歴史書に最初に表れたのは9世紀から10世紀ごろだそうです。
ここ梅ヶ島温泉が文献に表されたのは500年前ごろといわれ、その文献に1200年前には知られていたということが書いてあるそうですが、筆者は見たことがなく詳しいことはまだ調べておりません。
大正2年の『安倍郡梅ヶ島村誌』に「応神天皇のころ」に「黄金湯」の名をいただいたという伝承が記載されていますが、これもきっと同じ情報源によるものでしょう。
発見当時に石碑などの文献でも遺されていれば、その石碑の年代測定などもした上で、これは事実だと確認できるわけですが、湯の峰温泉も、梅ヶ島温泉も、どちらも古すぎて、これが証拠だということにはなりません。
だからといってウソかというと、そうはいえないでしょう。
もしあらゆる伝承というものを全部否定してしまったら、日本書紀や古事記に記載されている様々な伝承も全部否定しなければならないということになってしまいます。
伝承は伝承として、そこに伝えられる事実があってこそのものと考えることによって成り立っているものごとは、この世界にはたくさんあるんですよね。
温泉も、「大変に古い時代から続くもの」と伝えられてこそ湧き上がってくる感動があるんじゃないでしょうか。
というわけで、梅ヶ島温泉は1700年前から続く温泉だということで、皆さんもぜひ体験してみてください。
「濃い温泉だなあ!」という感動がきっとあると思います。