2019年8月31日土曜日

幸田文の『崩れ』

静岡の梅ヶ島温泉です。

紅葉の大谷崩(大谷嶺南面の山体崩壊)

幸田文著『崩れ』
明治37年(1904年)生まれで平成2年(1990年)に86歳で亡くなった作家の幸田文が72歳の時、昭和51年(1976年)の5月に、梅ヶ島温泉に泊まって、安倍峠や大谷崩などを訪れたことがきっかけで、昭和51年から翌年にかけて雑誌「婦人之友」に連載さた随筆が、この『崩れ』という本です。この本が講談社から出版されたのは、没後の平成3年(1991年)のことでした。



新緑の安倍峠や梅ヶ島温泉で、山々の木々と川の流れに心満たされていた著者が、大谷崩おおやくずれという、今まで経験のなかった山のあり方に出遭って心が大きく揺り動かされる──

そんな内容で、安倍川のこと、さらに静岡市と焼津市の境にある大崩海岸や、由比の海岸のことにも触れていますので、静岡市に来られる皆さんにもおすすめの本ですよ。今は文庫本にもなっています。


【大谷崩への交通】

公共の交通機関はありません。県道29号の新田地区への入口(梅ヶ島温泉に向かって左側)か、その下(南)側の大谷川沿いの道(同じく梅ヶ島温泉に向かって左側)を入り、「大谷崩」という案内表示に従って大谷川沿いを上っていく道路があります。県道から大谷崩の駐車場(すぐ上に展望場あり)までの距離は8〜9kmぐらい、車で20分ぐらいです。(徒歩ですと片道2〜3時間かかります)

梅ヶ島温泉から車で往復1時間ぐらいの距離になりますので、お車で来られる際には是非お立ち寄りください。